モンテッソーリ教育では、0〜6歳の時期を「敏感期」と呼びます。
子どもの「敏感期」を見逃さずに、成長に沿って発達をサポートしてあげること。
そうすることで、子どもが潜在的に持っている「タネ」が、じっくりと大きく育っていきます。
パッと読むための目次
モンテッソーリの敏感期とは?
モンテッソーリ教育の敏感期とは、子どもが何かに強く興味を持って、集中して同じことを繰り返す時期のこと。
敏感期を見逃さずに、この期間を味方につけることで、子どもの行動に納得でき、安心感が生まれ、子育てを楽しむ「心の余裕」が生まれます。
良いものも、悪いものも環境から全て吸収していく時期。
子どものいまだけの敏感期を大切に、ゆっくり成長を見守りたいと思います。
- 言語:0〜6歳
- 感覚:0〜6歳
- 離乳:6ヶ月〜1歳
- 秩序:1歳半〜4歳
- ちいさなもの:1歳過ぎ〜3歳
- 運動:0歳〜5歳
- かず:3歳〜6歳
- 書くこと:3歳〜5歳
- 読むこと:4歳〜6歳
- あいさつ:3歳〜6歳
- 文化:5歳〜6歳
言語の敏感期
言語の敏感期は、胎内にいる時から始まっていると言われています。
赤ちゃんの喃語も、日本人なら日本語らしい喃語、アメリカなら英語らしい喃語、フランスならフランス語らしい喃語を話すなど、
いちばん長い敏感期の言語。
親の方言や、アクセント、イントネーションも吸収するので、両親の母国語が違っていても、それぞれの言語で子どもに話しかけていれば自然と両方の言語を覚えます。
感覚の敏感期
感覚の敏感期にいる子どもは、いつも何か手で触ったり、匂いをかいだり、五感をフルに活用しています。
この時期の子どもには、映像などのバーチャルな体験ではなく、原体験が必要だとモンテッソーリは強調しています。
子どもの中で言葉が整理され、豊かな語彙力を育むことで、将来、自分の感じたことを他人に伝える助けになります。
多くの感覚的体験は、自分の意見を持つという知的自立の基礎も築いてくれます。
離乳の敏感期
生まれてから、母乳やミルクを飲んでいた赤ちゃんは、生後半年を過ぎると少しずつ離乳食に移行していきます。
※5〜6ヶ月のうちに離乳食を始めるのがベストです。
離乳食がスタートすると、食事の時間はお母さんが横に座って食べさせてくれるので、「おかあさんとわたしは別々」という事実に子どもが気づきます。
離乳とは、精神的な自立の一歩にもなるのです。
子どもの、ご飯を食べたい!という意思を尊重し、無理にスプーンを口に押し込むのではなく、下唇にスプーンを当てるだけにとどめ、子どもが自分から食べるのを待ちましょう。
秩序の敏感期
秩序の敏感期は、とても顕著に現れます。
特に、2歳前後の子どもたちに多く見られ、順番ややり方、位置などにこだわりがあり、いつもと同じ場所にないと、ひどく怒って癇癪を起こします。
秩序の敏感期の時期にいる子どもは、何もわからない世界の中で、なんとか情報を整理しようと必死です。
いつもと違う状況になってしまうと、途端に自分の居るべき場所がわからず混乱し、とても不安になるのです。
普段と変わらない生活を意識して、子どもに安心感を与えることで、落ち着きを取り戻すことができます。
ちいさなものへの敏感期
本当に小さな物に、鋭い観察力が出てくる時期です。
小さなありから、絵本の中の小さな描写、大人が見落としてしまう些細なことを発見します。
もし、子どもが道端にしゃがんで動かなくなった時、きっと子どもの目線の先には小さな小さな何かが隠れているはず。
素晴らしいミクロの世界が子どもの中で広がる時期です。
運動の敏感期
運動の敏感期とは、自分の意志で様々な動きをすることに興味が現れる時期です。
- わざと高いとこに登りたがる
- 常に走り回って落ち着きがない
- 全身を動かしている
- 大人から見ると無駄な動きばかり
しっかり歩き、自分で体のバランスを取るために、子どもはわざといろんな動きをして、どんな指令を脳から出したら、体がどんなふうに動くのか、必死に勉強しています。
こうやったら転んでしまう、こうしたら上手くできたなど、大人にとってはどれも同じ動きに見えるかもしれませんが、子どもの中では必死に頭を使いながら訓練をする時期です。
すぐに危ないからと静止してしまうのではなく、やらせてあげることも大切です。
数への敏感期
比べたり、分類したり、子どもが石や、枝などを並べているのを見たことがありますか?
数への関心は、数字や計算よりもずっと前から、感覚的なものの遊びとして子どもに現れてきます。
数に関心が出てきた子どもの会話には、5や10など、数字がたくさん出てきます。
こっちの方が多い、少ないなど、数への感覚はこの敏感期にぐーんと伸びます。
書くこと・読むことへの敏感期
しっかりと鉛筆を持てることが出来るようになり、手が自由に動かせるようになる時期です。
文字の形を知った子どもの、書きたい欲求は絵を描くことと同じ、自然な自己表現のひとつです。
「描くこと」との違いは、「ことばを書く」には、先人たちが決めた文字をはじめとして、約束やルールに沿って、相手とコミュニケーションをするためのものということ。
書くこと以上に、他者が書いたものを読むことは、さらに高度な能力が必要となります。
幅広い語彙力も必要ですが、書き手の書いた未知の世界について想像をし、登場人物の気持ちを解釈する力も必要になってきます。
幼稚園で、手紙の交換など、お友達とのコミュニケーションの一つとして文字を書くことが、あっという間にできるようになる子もいます。
あいさつ・文化の習得への敏感期
子どもには、挨拶をするのがおもしろくてたまらない時期があります。
- 朝起きたら、おはよう
- 家に帰ったら、ただいま
- 食事の前の、いただきます
帰属する社会に適応したいと願う子供たちにとって、あいさつは、ワクワクする日本文化の一つです。
4~5歳になると、他人のニーズや異文化についても理解できるようになってきます。
これは、自分以外のひとの気持ちを察したり、共感したり、想像力が育ち始めたりするためです。
子どもたちは、小学校に入学することから、本格的な想像力の世界へと入っていきます。
期間限定の「敏感期」
これらの、モンテッソーリ教育で上げられた子ども達の敏感期は、期間限定のもので、敏感期が終わってしまうと、その後現れることはありません。
子どもたちの普段の様子を毎日確認し、敏感期を見逃さずに、子どもの成長にあったサポートをすることで、子どもたちの持っている潜在能力を、大きく伸ばしていくことが出来ます。
モンテッソーリをさらに詳しく!
こちらは、実際に読んでみてオススメの書籍です。
将棋でも有名な、藤井聡太プロの家庭でも取り入れていたというモンテッソーリ教育。家庭での取り入れ方など、とても参考になりました!
モンテッソーリに特化しているわけではないですが、子どもへの言葉かけなど、真似したいものがたくさん。ここで紹介しなくても、本当に有名な本ですよね^ ^
特別な教具がなくても、家庭で取り入れられるモンテッソーリ。わかりやすくて、長男が3歳の時に何度も読み返しました。